最適な睡眠時間
最適な睡眠時間
最適な睡眠時間を知り、効率的な日常を過ごしたい、あるいは目覚めを良くしたい。
これは誰でも思うことですよね。
「心身が十分に休まり、スッキリと目覚められる」睡眠時間さえ分かれば、日々の生活をポジティブに過ごせそうです。
しかし、睡眠のリズムには個人差があるため「何時間が良い」という絶対的な答えを提示することはできません。
いやいや、90分刻みの6時間(360分)、7時間半(450分)が良いと聞いたことがある、という人も多いかと思いますが、この説はあくまでも平均的な話であって、これがあなたに当てはまるわけではないのです。
とはいえ、あなたにとって最適な睡眠時間を見つける方法はありますので、安心してください。
それにはレム睡眠(浅く眠っている状態)とノンレム睡眠(深く眠っている状態)という、2種類の睡眠の周期がカギとなります。ここではその具体的な調べ方やそのコツ。
またインドの伝統医学アーユルヴェーダに睡眠の真髄が記されていました。健康であるために研究され尽くした5000年の歴史を誇る医学から、あなたの最適な睡眠時間がわかるかもしれません。
ぜひご覧いただき、豊かな人生を過ごしてください。
1.睡眠の仕組みを知ろう!
1-1.最適な睡眠時間のカギを握るレム睡眠
人には睡眠周期というものがあり、レム睡眠とノンレム睡眠を交互に繰り返しています。
このうち、眠りの浅いレム睡眠を迎えているときが、起床するのに最適な時間だとされます。
それなので最適な睡眠時間とは、レム睡眠を迎えているいずれかのとき、ということがいえます。
睡眠は最低でも3時間は必要なので(この間のノンレム睡眠が心身の疲れを大きく回復する)、周期を1~2サイクルしただけでは、良い睡眠とはいえません。3~5サイクルが最適な睡眠時間であり、これらのうちから自分の生活に合うものを選ぶのが良いでしょう。
画像イメージ:金沢医科大学 教えて!ドクター
1-2.睡眠には個性があり千差万別
睡眠周期は平均して90分であるとされていますが、個人差により70分から110分くらいまでの幅があります。またサイクル数にも差があり、一般的には3~5回です。冒頭で何時間が良いという絶対的な答えを提示できないといったのは、これが理由なのです。
とはいえ、周期を10分単位で区切った場合の大まかな目安は提示できます。多くの人に当てはまりそうな睡眠時間を挙げると、次の表になります。
睡眠周期が70分~110分で、サイクルが3~5回という条件で組み合わせると、上記のような時間になります。
5時間台、6時間台が多く、これらの間にあなたにとっての最適な睡眠時間があるかもしれません。
2.5000年の歴史|インドの伝統医学アーユルヴェーダから学ぶ最適な睡眠時間
最適な睡眠時間は体質によって違う:3種類の体質と睡眠時間
アーユルヴェーダの考えによると、最適な睡眠時間は体質によって違うと考えられています。
3つの体質と睡眠時間
カパ体質:6時間
ピッタ体質:7時間
ヴィータ体質:8時間
あなたが、どの体質なのか見分けるために、それぞれの特徴を見ていきましょう。
1.カパ体質の特徴
カパ体質のあなたは、体格がよく、体力があり、安定性や落ち着きを望み、人を思いやる力に長けています。ふくよかな見た目の通り、行動や話し方はゆっくりとしています。
新しいことをするよりは、今のもままでいいと思うことが多いようです。
そんなカパ体質のあなたは6時間の睡眠時間で健康に入れるそう。
カパ体質の特徴
画像:カパの特徴|アーユルヴェーダのドーシャ
2.ピッタ体質の特徴
ピッタ体質のあなたは、中肉中背で、自分の思った通りに体重の増減ができます。
暑さに弱く、汗をかきやすいという特徴があり、性格としては野心家だったり、ビジョナリーだったりするようです。
そんなピッタ体質のあなたは7時間の睡眠時間で健康的に生活できるようです。
ピッタ体質の特徴
画像:ピッタの特徴|アーユルヴェーダのドーシャ
3.ヴィータ体質の特徴
ヴィータ体質のあなたは、痩せていて華奢に見られることが多く、食事も不定期にとることが多いです。
寒さに弱く、冷え性でもあります。睡眠が浅く、寝ている間にも音や気配を敏感に察知しているため、深い眠りになかなか入れません。
性格としては、芸術肌でこだわりが強く、自由を求める傾向が高い。落ち着きがなくソワソワしている一方、新しいもの好きで、衝動性があります。
そんなヴィータ体質のあなたは8時間の睡眠時間を必要をしています。
ヴィータ体質の特徴
画像:ヴァータの特徴|アーユルヴェーダのドーシャ
体質は上記3パターンを大元にして、ヴァータカパやピッタヴァータのように組み合わせによる組み合わせで10種類に分けられます。さらに詳しく知りたい方はTimeLess Edition ? アーユルヴェーダの基本概念 ?をご覧ください。このサイトは素晴らしいので、ご紹介いたします。
また、ご自身がどの体質なのか知りたい場合はアーユルヴェーダの体質チェックから簡単に分かりますので、ぜひ確認してみてください。
3.力ずくで探す!スッキリ起きられる睡眠時間を探し当てる方法
いつも朝起きている時間を基準に、それをプラスやマイナスにずらしていきながら、何時間寝れば一番すっきりと起きられるかを探そうという、原始的ではありますがとても手堅い調べ方があります。
ベッドに入る時間を一定にして3日おきに起床時間を調整していき、もっともスッキリと起きられる時間があれば、それがあなたにとって最適な睡眠時間であると判断できます。 睡眠周期は断定できませんが(おおよその見当を付けることはできます)、最適な睡眠時間というもっとも知りたいことがきちんと分かります。
4.アプリで調べる!睡眠周期調査アイテムを利用する方法
こちらはアイテムを利用して、睡眠周期そのものを調べる方法です。眠りの浅いレム睡眠時には、寝返り等の振動や呼吸・いびきといった音が発生しやすくなるので、それを感知することで睡眠周期を見破るという仕組みです。
4-1.スマホのアプリを利用する
レム睡眠、ノンレム睡眠のリズムを計測するスマートフォンアプリがあります。
スマホをベッドに乗せたまま眠るだけでレム睡眠時に発生する音が感知され、睡眠周期を調べることができます。
レム睡眠・浅い眠りに起きられるアラーム
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4-2.オムロン「ねむり時間計」を利用する
枕元に置いて一緒に寝るだけで、1日の睡眠状況を詳細にデータ化する、ハイテクな商品です。スマートフォンアプリ「ねむり体内時計」と連携することで、測定した記録を分かりやすいグラフでチェックすることも可能になります。
オムロン ねむり時間計
5.睡眠周期を調べる際の注意点
上記した睡眠周期を調べる方法では、ベッドに入る時間帯や寝る前の生活、睡眠の質を一定にすることが求められます。例えば、多くのお酒を飲んだ日や、終電間際まで残業していたなど、あきらかに例外的な生活を送ったときは除外して調査すべきだといえます。
なお、下記に気を付けることで、睡眠の質を安定させる(深いノンレム睡眠を得る)ことができます。
5-1.睡眠の質を安定させるもの
心身をリラックス状態へ導く行動が、良質な睡眠を得るカギとなります。体を適度に温め、心を落ち着かせることが重要で、それにより自律神経の副交感神経が優位になり、身体が休息モードに入ります。
基本的に、食事は3時間以上、入浴は1時間以上前に済ませ、またスマホやパソコンは2時間以上前に済ませるということを心がけましょう。
【具体例】
ぬるめのお風呂は適度に体が温まり入眠しやすくなる
ホットミルク類も適度に体を温め入眠しやすくなる
ハーブティーもリラックス効果あり
夜は控えめな照明にする
寝る前に心を落ち着かせる音楽を聞いてリラックス
ストレッチは血流が良くなり睡眠中の回復効率が増す
5-2.睡眠の質を悪くするもの
入眠や睡眠の質に影響を及ぼすのは、胃腸の活動、体温の高さ、交感神経の興奮といった事柄です。
脳や内臓機能が働いている興奮状態だと、身体が休息に入れないのです。
睡眠は、最初の3時間のノンレム睡眠が重要ですから、この時間帯の眠りを阻害することは避けるべきだといえます。
【具体例】
就寝前の食事(胃での消化には約3時間かかる)
飲酒(約3時間後にアルコールの毒素が出てしまう)
カフェイン摂取(脳の興奮が7時間ほど継続してしまう)
テレビゲームやパソコンは脳が覚醒状態になる
明るい照明も脳への刺激が強い
激しい運動は身体が興奮状態になる(3時間ほど継続)
熱すぎるお風呂は体温が上がり過ぎてしまう
6.睡眠がもたらす効果
睡眠とは、大まかにいうと脳と身体を休ませて疲労の回復やストレスを除去し、目覚めた時にはそれらが正常に機能するよう修復・調整することを目的としたものです。
以下の効果を知れば、最適な時間で良質な睡眠をとることがどんなに大切なことか分かるでしょう。
睡眠で得られる効果@ 脳を休めて機能を回復させる
脳が疲労した状態を回復し、思考能力などの働きを正常に戻します。
身体については安静にしているだけでもある程度は運動能力を回復することができますが、脳は寝ない限り回復しません。
睡眠不足で脳が休まらないと、集中力が欠如したり注意力が散漫になったりするのは、疲労が抜けていないからです。
睡眠で得られる効果A 身体を休めて機能を回復させる
睡眠をとることにより、身体のなかでは疲労やストレスの原因となる活性酸素や有害物質が分解されます。
そのため眠りから覚めた時には、ストレスから解放された状態となるのです。脳の疲労と比べると、こちらの方が回復しやすくなっています。
睡眠で得られる効果B 記憶の整理・定着化
寝ている間に、その日の出来事や勉強内容、記憶したことといった情報の整理や定着化が行われます。
逆説的に言えば、受験勉強などで何かを覚えたいときには、しっかりとした睡眠が必要だということになります。主にレム睡眠において、この作業が活発化します。
睡眠で得られる効果C 成長ホルモンの分泌
成長ホルモンは、子供が成長するために必要で、骨、筋肉、関節、神経の成長と、修復を行うものです。
しかしこれは、大人にとっても必要なものだといえます。筋肉、血管、内臓の細胞を修復する新陳代謝に関係があるからです。
例えば、大人の肌荒れや目のクマなどは、成長ホルモン不足から来るものであり、これらを防ぐためには十分な睡眠が必要となるわけです。
7.オススメの本
最適な睡眠時間が分かったと思いますが、実際にきっちり起きられるでしょうか。ここではぐっすり眠り、そしてしっかり目覚めるための方法が学べる書籍を紹介します。
「朝がつらい」がなくなる本 著者:梶村尚史
どうしたらぐっすり眠れ、スッキリ起きられるのか、といったテクニックが分かりやすく紹介されています。睡眠のメカニズムだけでなく、生活に即した実践的な話を具体的に知ることができます。
快適睡眠のすすめ 著者:堀忠雄
睡眠に関する学術的な内容から、よく眠るための実践的なテクニックまで、硬軟織り交ぜた構成になっています。この一冊で快適な睡眠を得るためのコツと、その根拠を理解することができます。
8.まとめ
すっきりと目覚めやすいのはレム睡眠が訪れている周期であり、そのリズムを迎えるときが最適な睡眠時間になるといえます。上記した方法で、自分の睡眠周期と最適な睡眠時間を調べてみると良いでしょう。それが分かれば快適な目覚めと、いつも心身がリフレッシュした状態を得られますので、とてもポジティブな生活を過ごすことができるといえます。
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