ミラーリングテクニック
ミラーリングテクニック
まるで鏡のように相手の仕草や動作を真似する「ミラーリング」というテクニックをご存知でしょうか?
たとえば、
「相手が笑ったら、こちらも笑う」
「相手が飲み物を飲んだら、こちらも飲む」
「相手が眉をひそめたら、こちらも眉をひそめる」
など。表情や動作を相手と同じ状態にすることによって、無意識下で相手に「この人とは馬が合うかも」と思わせ、心の距離を縮めることができるのです。
ビジネスの現場で出会う初対面の人はもちろん、好意を抱いている異性やちょっぴり苦手な人とでも、ミラーリングを使えば心の距離をグッと縮めることができます。
では、実際にどのようにミラーリングを行なえばいいのか、何に気をつけるべきなのか、どうすればより深い人間関係を構築できるのか。
この記事では、ミラーリングの具体的な使用例や注意点などをご紹介していきます。
1.ビジネスシーンで使えるミラーリングテクニック
ビジネスシーンで目の前にいる相手がなかなか心を開いてくれない、自分に関心を持ってくれないのは悩みの種ですよね。
話を聞きたいのに、なかなか言葉を発してくれないと、困り果てたそんな時は相手の仕草や動作を真似する「ミラーリング」が有効です。
ここでは、ビジネスシーンで活かせるミラーリングのテクニックや意外な落とし穴をご紹介します。
1-1.ビジネスでも活用できるミラーリング
たとえば営業マンの場合、初めて会う人とどれだけ心の距離を縮められるかによって、営業スキルの優劣や成果の出来不出来が決まると言っても過言ではありません。
もちろん、商談相手と仲良くなるための自己開示やトークスキルは重要です。
しかし、それだけで成果を出せるとは限りません。
心理学に基づいた「ミラーリング」というテクニックを駆使して心の距離を縮めることが、ビジネスシーンで人間関係を構築し、コミュニケーションを円滑に進めるためには必要なのです。
1-2.ミラーリングの種類
「ミラーリング」と一口に言っても、種類はさまざま。仕草や動作を真似ることもあれば、呼吸のペースや声のトーンを合わせることもあります。
ここでは、代表的なミラーリングの種類をいくつか紹介します。
仕草や動作を真似る
明日からでもすぐに実践できるのは、目の前にいる相手の仕草や動作を真似ることです。
難しく考える必要はありません。相手が笑顔で話している時は笑顔で話を聞き、哀しそうな顔をしている時は哀しそうな表情で話を聞くことです。
これだけで「自分と似た感情をもっている」と思ってもらうことができ、心の距離は自然と縮まっていきます。
そして、もっと簡単に実践できるのが、相手の動作を鏡のようにコピーすることです。
相手があごを触ったら自分もあごを触る仕草や相手がお茶を飲んだら、自分もお茶を飲むことです。
相手が首をかしげながら何かを考えていたら、自分も同じように首をかしげながら待ちましょう。
ほかにも、話す時の姿勢であったり、手の位置であったりと、商談の場では相手の仕草や動作を真似るチャンスが無数に存在します。
呼吸のペースを合わせる
相手と呼吸のペースを合わせることも立派なミラーリングテクニックの一つです。
仕草や動作を真似るのと同様、呼吸のペースを合わせることもすぐに実践できるテクニックです。
呼吸のペースが合うと、会話のペースが合うようになります。
そのため、相手がしゃべり出すタイミングをイメージしやすくなり、お互いに会話を切り出しやすい雰囲気が生まれます。
逆に、ペースが合っていないと、会話のタイミングがうまく噛み合わず「この人とはなんだか話しづらい」という印象を抱かれてしまう恐れがあります。
そうならないためにもまずは、相手が息を吸うタイミングで同時に吸い、同じタイミングで吐き出すことを意識的に繰り返しましょう。
すると、不思議なもので、相手が話しはじめるタイミングが事前に読めるようになっていきます。
声のトーンを合わせる
やや難易度は上がりますが、声のトーンを相手と合わせることも商談の場では有効です。
たとえば、年配の落ち着いたトーンで話をする社長の場合は、自分も落ち着いたトーンで返しましょう。
ノリのいい若い商談相手の場合は、ノリのいい営業マンになることです。
商談の場でトーンの違いから生じてしまう「温度差」は、あなたが想像している以上に商談の結果に悪影響を及ぼします。
たとえば、商談の勝負どころで相手が契約するか悩んでいる時、ペラペラとトークを続ける営業マンほど契約は決まりません。
じっくり考えたい時にしゃべり続けてしまう営業マンは、「この営業マンはなんとなく合わないなぁ」と思われてしまうのです。
大切なのは、「この人は自分と似ている」と無意識下で感じてもらうことです。
商談用の一定のトーンが型として身についている方もいるかもしれませんが、トーン調整ができるようになると商談の質は格段に上がります。
さらに、トーン調整ができるようになれば「温度差」もなくなるため、相手がじっくり考えている時にペラペラ話し続けるようなことも無くなります。
オウム返しをする
「オウム返し」とは、相手の言葉をそのまま繰り返すことです。
たとえば
「新規事業を立ち上げようと考えているんだ」
という相手の発言に対して
「新規事業の立ち上げを検討しているんですね」
とシンプルに返す。
これだけでも、相手は「しっかり自分の話を聞いて、理解してくれているな」と安心感を抱き、好感をもってくれるようになります。
ついやってしまいがちなのが、「なるほどですね」「なるほど、なるほど」「そうなんですね」という相槌。しかし、これはNGです。
言われた方は「まだ理解してもらえるほど話していないのに…」と思い、不信感を抱いてしまうことがあります。
たしかに、“理解者であると思われなければいけない”という焦りは感じてしまいがちですが、そこはグッとこらえ、相手の話をじっくり聞いた上でオウム返しを試してみましょう。
ただし、使いすぎてしまうと鬱陶しくなり、会話が前に進まなくなってしまいますので注意が必要です。
1-3.ミラーリングの落とし穴
ビジネスシーンで活かせる各種ミラーリングテクニックですが、露骨にやりすぎると逆効果が出てしまいます。
「真似しなきゃ真似しなきゃ…」と思って、相手のすべての動きに注目して真似しようとすると、警戒心を抱かれ、心を閉ざされてしまうこともあります。
また、ミラーリングを熟知している相手にミラーリングをすることは意味がありません。
むしろ「あぁ、この人は契約欲しさにすりよって来ているんだな」と煙たがられてしまう可能性があります。
商談相手が敏腕営業マンや営業畑で仕事をしてきた人の場合は、特に注意が必要です。
ビジネスシーンにおいて、商談相手との心の距離を縮めるために大変有効なミラーリングですが、使い方やタイミングを間違えてしまうと相手に嫌われてしまう危険性も秘めた「諸刃の剣」であることを覚えておきましょう。
2.ビジネス以外にも使える! ミラーリング応用編
営業活動を行なう際のテクニックとして有名なミラーリングですが、実はビジネスシーン以外でも有効です。
プライベートでもミラーリングを意識すると、身のまわりの人間関係やコミュニケーションの質は大きく変化します。ここでは、ビジネス以外のミラーリングの活用方法をお伝えします。
2-1.恋愛で役立つ言葉のミラーリング
恋愛は、ビジネスと同じくらいミラーリングが大活躍するフィールドです。
仕草や動作など、各種ミラーリングテクニックを活かせる上、相手の好きな言い回しを真似る・相手の口ぐせを真似るといった、言葉のミラーリングも有効に活用することができます。
仲の良いカップルや夫婦の言動が似通っているのを見かけたことはありませんか?
ミラーリングを実践することで、この状況を恋愛の場面で意図的につくり出し、「もしかするとこの人と似ているところがあるのかも」と好感をもたせることができるのです。
人間は自分と似ている異性を好きになる本能を持ち合わせていることから、ミラーリングは恋愛成就の鉄板の術とまで言われています。
2-2.デートで使えるミラーリング
好意を抱いている相手とつき合う前のデートや、つき合った直後のデートなど、できるだけ相手との心の距離を縮めたいタイミングで使えるミラーリングテクニックをここではお伝えします。
誰にでも簡単にでき、高確率で効果を出せる方法です。
それは、相手と同じ食べ物・飲み物を注文することです。
デートをする際、喫茶店やカフェ、レストランなどはほぼ必ず利用することになります。
そして、確実に「注文」という行為が発生します。そのタイミングを狙って「おれも(私も)同じの!」と言うだけでいいのです。
それってミラーリングなの?と思われるかもしれませんが、これも立派なミラーリングテクニックのひとつです。
偶然を装って同じものを注文することで「好みが似ているんだ」「似たもの同士なのかも」と相手は無意識のうちに好感を抱いてくれるのです。
あとはここまで紹介してきた数々のミラーリングテクニックを小出しにしていけばOKです。
相手がおしぼりで手を拭いたら、同じタイミングで自分も拭きましょう。
相手が足を組み替えたら、同じタイミングで自分も組み替えてみてください。
相手が食後にコーヒーを注文したら、自分もコーヒーを注文するこの一連のミラーリングコンボを「さりげなく」やることで、好きなあの人との心の距離は一気に縮まります。
是非、試してみてください。
2-3.元恋人との復縁にも一役買うミラーリング
ミラーリングの凄いところは、新しい恋を実らせるだけではなく、復縁にも一役買うという事実です。
一度は別々の道を歩もうとしたものの、あなたがかつてつき合っていた恋人との復縁を望むのであれば、会った時にはとことんミラーリングを行なってください。
すると、別れた時のマイナスイメージを払拭し、
「久しぶりだけど話しやすい」
「つき合っていただけあってやっぱり気が合う」
「一緒にいるとなんだか落ち着く」
といったポジティブな印象を与えることができます。
万能ではありませんが、よりを戻すためにミラーリングテクニックを活かせることは確かです。
2-4.ミラーリングを応用した会話例
ビジネスシーンで使い過ぎると鬱陶しがられてしまうテクニックのひとつ「オウム返し」ですが、ビジネスシーン以外の場面では、ある程度多用しても問題ありません。
むしろ、オウム返しを活用することで、真剣に話を聞いていることをアピールできますし、気まずい沈黙を避けることもできます。
ここでは、オウム返しを応用した会話例をご紹介していきます。
相手「この前、鬼怒川温泉に行ってきたんだけど、めっちゃ癒されたわぁ」
あなた「鬼怒川温泉かぁ。あそこはガチで癒しの温泉郷だよねぇ」
このように適度に言葉を変える分には、問題ありません。肝心なのは、 「話した内容がちゃんと伝わっていた」という安心感を目の前にいる相手に与えること。
会話の中から相手が強調したがっているキーワードを見極めて、それを盛り込んだ返答をすることが大切です。
この会話におけるキーワードは「鬼怒川温泉」と「癒し」となります。
相手「最近K-POPにめっちゃハマってて、YouTube観まくってるんだ」
あなた「K-POPハマるよねぇ! ってかYouTubeで観れるんだ(驚)」
話全体のテーマとなるようなキーワードをまずは抽出します。
ここまではさきほどの例とたいして変わりませんが、「ハマる」という話し手の性格や感情を表している言葉を意識的に盛り込んでいます。
相手の性格とリンクする言葉をさりげなく使うことによって、「この人は私と同類だ」「やっぱり気が合う」と、より強く印象づけることができるのです。
以上のように、ミラーリングテクニックを会話に応用する際は、「キーワード」と「話し手の性格を表す言葉」を意識してオウム返しをしてみてください。
3.ミラーリングがコミュニケーションに効果的な理由
ミラーリングはただの小手先のテクニックではなく、心理実験でも証明された概念です。
ここでは、なぜミラーリングが人間関係の構築や円滑なコミュニケーションに効果を発揮するのかを説明します。
3-1.そもそもミラーリングとは?
ミラーリングはそもそも、「ミラーリング効果」という人間の心理から、逆転の発想で生まれたテクニックです。
同調効果とも呼ばれるミラーリング効果ですが、これは簡単に言ってしまえば、好感を抱いている人と無意識に同じ動作をとってしまうことです。
相手がコーヒーを飲んだら、無意識に自分もコーヒーを飲んでください。
相手が髪の毛を触ったら、自分も無意識に触る。相手に対する好感度が高ければ高いほど類似性が現れる傾向があります。 その性質を利用して、逆に
「類似性を意識的に演出することで相手からの好感度を上げよう」
というのが、この記事で紹介しているミラーリングテクニックなのです。
最近ではビジネスシーンや恋愛など、さまざまな場面で良好な人間関係を築くためのテクニックとして広く知られるようになりました。
3-2.ミラーリングの仕組み
なぜ、ミラーリングを行なうと相手から好感を抱いてもらいやすくなるのか、この点については心理学に基づいて説明します。
意識している・意識していないに関わらず、相手の仕草や動作を「真似る」ことや「模倣する」ことは、相手に対する尊敬や好意、つまりポジティブな感情を表現したものとして相手に記憶・認識されます。
すると「自分の仕草を真似る人は仲間であり味方である」と無意識のうちに心を開いてもらい、親密だと感じてもらいやすくなるのです。
3-3.ミラーリングの実験結果
ニューヨーク大学のターニャ・チャートランドという心理学者が1990年代後半に、ミラーリングの効果を検証するための実験を行ないました。
二人一組でペアになり、相手への好感度を測る実験です。時間は15分間です。
ペアの片方に相手の姿勢や仕草を真似る(つまり、ミラーリングをする)ように指示をしたAクラスと、何も指示をしなかったBクラスの2パターンで実験を実施します。
15分経った後の相手への好感度を調べたところAクラスは73%であったのに対し、Bクラスは65%にとどまったのです。
あまり変わらないように見えるかもしれませんが、実際はたった15分のコミュニケーションをとっただけで、約10%の違いが出ています。
この結果から、ミラーリングはたとえ短時間であっても効果が期待できることがわかります。
何も難しいことはありませんすべての仕草や動作を真似る必要はありませんし、真似るとしても姿勢や足の組み方、呼吸のペースなど簡単にできるものだけでも効果があるのです。
4.相手と深い関係性を築くためのトレーニング
ミラーリングはあくまでも相手との心の距離を縮めるためのテクニックです。
そのミラーリングの効果を最大化させ、深い人間関係を構築するためには「同調」という状態を意識的に生み出す必要があります。
ここでは、「同調」に関する内容とその状態を生み出すためのトレーニング方法を紹介します。
4-1.同調という概念
相手と声のトーンや体の動きがシンクロしており、第三者から見ても二人で話している姿が自然に感じられ、通じ合っているように見え、つながりを感じられる状態を「同調」と言います。
同調が起こると体の動きや筋肉の緊張具合は限りなく相手と似た状態になります。
たとえば、街中を仲良く歩いている友人同士の足もとを見てみてください。
すると、まったく同じ歩調で歩いていることがあります。
その二人は決して、歩調を合わせようとはしていないはずですが、合ってしまっているのです。
それは、互いに好感を持ち合いながら楽しい時間を過ごすことで、ミラーリング効果が自然と起きているからなのです。
ミラーリング効果が別名「同調効果」と呼ばれていることにも頷けます。
仕草や動作を真似る程度のミラーリングであれば、明日から試せるようなものもありますが、あくまでもそれらは小手先のテクニックです。
相手と本当に深い関係性を築き、心を通じ合わせるためにはこの「同調」という概念を理解し、ミラーリングによって同調している状態を生み出す必要があるのです。
4-2.同調しようと思うと失敗する
必要以上の緊張状態であったり、「同調しよう」という意識が強すぎたりすると、全身に力が入ってしまい同調からは遠ざかってしまいます。c
同調の状態を生み出すためには、自分がリラックスできている状態でミラーリングをする必要があるのです。
ビジネスシーンでも、恋愛でも、「自分の考えた通りの展開になってほしい」と思ってしまうと自らを緊張させることになってしまいます。
それよりも、自分が望む流れで会話が進むのを期待するのではなく、相手との関係が自然の流れの中で展開していくことを楽しみにしている時が、最も体の力は抜けます。
その時こそ、深い関係性を構築するための条件である「同調」の状態に近づくチャンスなのです。
4-3.リラックス状態をつくるトレーニング
相手と同調した状態をつくるためには、自分の緊張具合を自分でコントロールできるようにならなければなりません。
そのためにも、まずは普段から自分を観察する癖をつけましょう。
コツは自分を俯瞰して観察することです。
「自分の口癖はなんだろう」
「口癖が出る時はなにを考えている時だろう」
「緊張する時、体のどこに力が入っているだろう」
「人前で話す時の癖はないか」
など。普段から無自覚でやってしまっている仕草や動作を発見し、認識することで、次には「制御しよう」と意識を働かせることができるようになります。
すると自分で自分をコントロールし、意識的にリラックス状態をつくれるようになるのです。
リラックス状態を自分でつくれるようになったら、同調の状態を生み出すことはさほど難しくはありません。
相手とすんなり呼吸のペースを合わせることができるようになりますし、意識しなくても声のトーンを調整することもできるようになっていきます。
4-4.相手の心を読むトレーニング
自分の心をコントロールできるようになっても、相手の心が読めない状況下では、冷静に相手と同じ気持ちになってミラーリングをすることはできません。
そこで、普段から相手の心を読むトレーニングをしておきましょう。
たとえば一人でカフェに行ったとします。
席をついてまわりを見渡して見ると実にさまざまな人が、一人ひとり異なる心理状況でその場にいるはずです。
MacのノートPCを開いてタイピングをしている20代の若者がいます。
黄色の蛍光マーカーを引きながら勉強している受験生がいます。
楽しそうに話している大学生カップルがいます。
ひとりのリラックスタイムを楽しんでいる大人の女性がいます。
読書をしているかと思ったらうとうとしはじめたご老人がいます。
こういったまわりの人たちが、今なにを考えているのかをじっくり考えてみるのです。
実際に相手を目の前にするのとは違い、対面していない状態で相手の心の動きを読むトレーニングなので、自分はリラックスした状態を保ったままでいられることが最大のメリットです。
そうすることで、自分の心と相手の心のズレを明確に見つけられます。
実際に「同調」の状態をつくるためには、そのズレを認識した上で自分から相手に合わせていくことが大切なのです。
4-5.相手の動きを真似るためのトレーニング
ミラーリングの「基本のキ」であり、実際にやってみると最も難しいのが、相手の仕草や動作を真似ることです。
まるっきり同じ動きをする必要はありませんし、すべてを真似る必要もありませんが、やはり慣れていないとぎこちなさが動作に滲み出てしまい、バレる直接的なキッカケとなってしまいます。
そこで、普段から人の動作を真似る練習をしておくことをおすすめします。
まず、対象は誰でもいいですが、外を歩いている人の真似をしてみましょう。
歩いている人の中から対象となる人を一人定め、数メートルの距離をキープしながら、まずは歩調を合わせてみます。
その後、足の蹴り上げ具合や歩幅などもなるべく同じになるようにしてみてください。 歩くリズムをつかめたら、自分の中にそのリズムを刻んでみましょう。
「スタっスタっスタっ」と心の中でつぶやくと、自分の中に真似をしている対象の人と同じリズムをつくることができます。
それができたら、次はその時に自分はどんな気持ちになっているかを考えてみてください。
相手と同じ動きをしながら、相手と同じ気持ちになってみることです。
この状況こそが、ミラーリングの真髄であり、これまでに説明してきた「同調」に関するすべてのエッセンスが詰まったシチュエーションなのです。
ここで相手と同じ動きをしながら、相手と同じ気持ちになることができたのならば、実際に相手と対面している時でも、自然と「同調」の状態をつくることができるようになります。
ひいては、小手先のミラーリングテクニックだけでは築くことのできなかったはずの深い人間関係を、短い時間でスマートに築けるようになるのです。
5.おすすめの本
『マンガでやさしくわかるNLP』 著|山崎 啓支 ・サノマリナ
NLP(神経言語プログラミング)とは、「脳の取扱説明書」とも呼ばれるコミュニケーション心理学のことです。
ミラーリングもNLPの考え方に基づいたテクニックのひとつです。
主人公であるコーヒーチェーンの新米店長が、さまざまな課題を乗り越えて理想を実現していく過程を、マンガを交えてわかりやすく紹介した本です。
『自分とまわりを変える魔法のNLP実践トレーニング』著|椎名規夫
米国NLP協会認定NLPトレーナーであり、経営コンサルタントでもある著者による、ビジネスシーンで役立つテクニックを紹介した実用書です。
ビジネスで成功を目指す方のバイブルとも言える一冊です。
6.まとめ
すぐに試せるものから、日頃からトレーニングを積まなければ実践できない内容まで、さまざまなミラーリングテクニックを細かく説明してきました。
今回の記事をまとめてみたので改めてチェックしてみてください。
ビジネスの現場でもミラーリングは活かせる
すぐに試せる4種類のミラーリングテクニック
相手にバレるとミラーリングの効果は無くなる
恋愛でもミラーリングは活かせる
オウム返しにもコツがある
ミラーリングは有効性が心理実験でも証明されている
深い関係性を築くためには「同調」を理解する
日々のトレーニングがミラーリングの効果を最大化する
参考になれば幸いです。すぐにできるものに関しては是非、明日から実践してみてください。
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