「リピート」を増やす方法
「リピート」を増やす方法
近年、どの企業でも、「顧客満足度」「CS」といった言葉が語られるようになってきました。
「顧客満足(customer satisfaction)」という言葉は、元々1980年代にアメリカで使われ始めたもの。「それまでは生産者主導だった商品やサービスの質・方向性などを、消費者(顧客)の要望や嗜好を中心に据えるべき」という考え方が根底にあります。また、当時サービス業をはじめとする「第三次産業」が社会に占める割合が拡大していたことも、重要な背景です。
ここでは、「顧客満足度を高めることで、どんなメリットがあるのか」、また「顧客満足度を高める方法」などを、具体的な事例を使ってご紹介していきます。
1. 顧客満足度を高めると得られるメリット
「顧客満足度を高める」ということは、「顧客の重要性を認識し、長期的で継続性のある利益の確保と維持ができる企業を創造すること」です。
大切なのは、長期的に利益を得るという部分で、これは「リピート客」をつかむということと、ほぼ同義であると捉えていただいて大丈夫です。事実、企業にとって既存顧客が離れてしまうことは大きな損失につながります。新規顧客の獲得には、既存顧客を維持するより、はるかに大きなコストがかかるからです。「企業の売上の65%は既存顧客がもたらし、1人の新規顧客を獲得するコストは、1人の既存顧客をつなぎとめるコストの5倍かかる」(ガートナー社)という計算もあります。
2. 顧客満足度を上げるために必要なこと
ここでは、顧客満足度を向上させるための具体的な手順やポイントについてご説明します。
現状の満足度を正しく把握する
調査の対象を決める
調査を行なう前に、まずは「調査の対象」を決めることからスタートしましょう。理想は、商品の購入者やサービスの利用者全体を対象とした全数調査ができればベストです。ただ、予算の関係上難しいという場合は、全顧客リストからサンプルを無作為抽出し、調査を行ない、調査母集団(顧客全体)の傾向を把握する方法が最善かと思われます。
調査方法を決める
調査方法は、質問のボリュームや目標回収件数に応じて、郵送調査法、電話調査法、FAX調査法などを使い分けましょう。注意点としては、「回答結果は集計・分析のためだけに使用される」ということを事前に伝えることです。「どの顧客がどういった回答をしたか」がわかってしまう仕様だと、回答者が気を遣うことによるバイアス(偏り)が発生してしまうからです。
調査項目と質問内容を決める
調査項目と質問内容に関しては、CS調査を企画する上で最も重要な要素であるため、自社内でよく議論する必要があります。事前にお客様に直接取材して生の声を聞いたり、クレームや問い合わせをヒントにしたりすることも効果的だと言えます。それでも調査項目と質問内容を具体化するのが難しいのであれば、調査会社の協力・アドバイスを得ることも検討しましょう。
CS調査に用いられる手段として最もポピュラーなのが、「アンケート」です。中でも、「非常に満足」「やや満足」「どちらともいえない」「やや不満」「非常に不満」といった選択形式の調査方法がよく使われています。そこでは、選択肢を用意するだけでなく、自由記述の回答欄を設けることをおススメします。回答内容の幅が広がることで、こちらが気づいていない顧客の満足・不満足ポイントを発見することにもつながるからです。
ここで注意すべき点は、各質問に対する評価以外に「総合評価」や「リピート購入(利用)意向」に関してもヒアリングしておくということ。
この質問を設定することで、どういった要素が総合評価やリピート購入(利用)意向に大きな影響を及ぼしているかを分析することができます。
顧客が満足/不満足を決めるポイントを知る
事前期待を探る
顧客満足度の調査結果を事業に活かしていくためには、「購入後になぜそのような評価をつけるに至ったのか」だけでなく、「顧客の購入前の期待はどの程度のものだったのか」という「事前期待」を調査する必要があります。「顧客が満足するか」、「不満足と感じるか」は、顧客の期待と実際との比較で決まります。
顧客は無意識あるいは有意識に関わらず、店舗、商品、サービス、接客などに期待を抱いているものです。そして、顧客は実際の商品やサービスが期待と同程度であった場合は満足します。
一方で、実際の商品・サービスが期待を下回った場合は、不満足と感じます。さらに言えば、実際の商品・サービスが期待をはるかに上回って良かった場合(「ここまでしてくれるなんて思わなかった!」)には、満足を超え、「感動」という評価をつけます。
不満足は一瞬で決まる
満足度を高めるために努力が必要であることに対し、「不満足」という評価は一瞬にして決まってしまいます。その中で特に気をつけなければならないのは、顧客の期待の対象は、メインでサービスを提供する役割を担うスタッフだけではないということ。
とある有名なリゾートホテルの話。行き届いたサービスに定評のあるホテルであったため、大きな期待を持ってそのホテルを訪れたのですが…。宿泊客にとってそのホテルで最初にコンタクトを取ることになったのは、駐車場担当の警備員でした。警備員の態度は、期待とは大きくかけ離れ、仏頂面でぞんざいな言葉づかい。一瞬にして、「自分が歓迎されていない」という不愉快な気持ちが湧きあがりました。ホテルのフロントに到着すると、愛想の良いドアマンが迎え入れてくれ、ホテル内でも評判通りの非常に質の高いサービスを受けることができました。しかし、駐車場の警備員のことがひっかかり、「スタッフの教育が行き届いていない」という想いはぬぐえず、その後もそのホテルを利用する気にはなりませんでした。
ホテルであれば、ドアマン、フロントスタッフ、レストランスタッフ、コンシェルジェなど多くのスタッフが心を込めてサービスを提供したとしても、たった一人の、一瞬の不快な態度や言葉使いが、全てを台無しにする可能性があります。特に、価格の高い商品を扱う販売店や、前評判の高い店舗や施設などの場合は要注意。
ただでさえ顧客の期待が高いので、ちょっとしたことで不満足の烙印を押される可能性が、通常よりも高くなってしまいます。
3. 有名企業から学ぶ、顧客満足を勝ち取る方法
世の中には、数多くの企業が存在します。圧倒的な製品力、門外不出の高度な技術、利便性の高い立地など、それぞれが様々な武器を駆使して顧客に価値を提供しています。ここでは、「顧客満足度の高い企業」という観点から、「どのような方法で高い顧客満足度を実現しているのか」をご紹介していきます。
日野自動車に学ぶ「顧客ニーズの重要性」
5年連続「顧客満足度」業界トップの自動車メーカー
建設や物流の現場において、なくてはならないトラック。私たちの身近なところでも、アマゾンで購入した商品の配送、食品の配送などなど、生活に欠かせない存在です。そんなトラックのメーカーとして東京都日野市に本社を置くのが、「日野自動車株式会社」です。
この日野自動車、トラック業界でも抜群に高い顧客満足度を維持していることでも有名な企業。顧客満足度(CS)調査・コンサルティングの専門機関「J.D. パワー」が毎年実施している顧客満足度調査によれば、日野は大型自動車においては5年連続で業界トップ。小型トラックにおいても、1〜2位の順位を維持しています。
この顧客満足度の高さは、何が要因なのでしょうか。トラックメーカーに対する満足度の内訳を見てみると、大型トラック・小型トラックともに「アフターサービス」が5割近くを占めているのがわかります。
顧客がアフターサービスを重要視する理由
では、なぜ主な顧客である物流業界や建設業界は、アフターサービスを重視しているのでしょうか。
景気回復や、インターネットショッピングの増加、東京オリンピックの開催に向けた建設業界の活況などにより、トラックの需要は今、まさに最盛期を迎えていると言ってもいいでしょう。加えて、「トラックが故障してしばらく使用できない」「部品が届かず、修理ができない」といった状況は、業績にダイレクトに影響を与える損失となります。さらに、商用車のトラックの場合は、新車購入後2年で初めての車検を受けた後、1年ごとの車検が法律で定められており、一般的な自家用車よりもメンテナンス頻度が高くなります。
上記のような理由から、部品の取り寄せ期間の短さ、在庫状況や注文通りの部品が納品されるかといった「アフターサービス」の部分が顧客満足度に重要な影響を与えていると言えます。
大切なのは、顧客のニーズに応えること
「アフターサービス」に次いで顧客満足度の構成要素の割合が高いのは、「営業対応」。メーカーのみならず、ディーラーの営業担当者が、いかに顧客へ密にアプローチできているかも大切ということ。
先にも述べた通り、急拡大しているトラックへの需要。それにもかかわらず、各社がアフターサービスや営業対応に充分な人員を割くことができているとは言い難い現状があります。
2009年に起こった「リーマンショック」の影響で、多くの企業が人員削減を含めた組織のスリム化を行なうことで、何とか利益を確保しようと考えました。その影響によって、業界では慢性的な人材不足が続いている状態。
その中で日野自動車は、迅速なアフターサービスを実現しているだけでなく、営業によるフォローも充実させています。顧客にとっての第一は、もちろん目的地まで安全に荷物を運ぶこと。
ただ、その中でガソリン代などの配送にかかるコスト削減、効率的な業務フローの構築など、ビジネスという面での対策も重要な課題。日野自動車の営業は、単なる御用聞きではなく、こうした課題にまで入り込んでフォローを行なうことで、顧客満足度を高めることに成功しています。
ディズニーランドに学ぶ「リピート率を高める方法」
ディズニーランドのリピート率は驚異の「97%」を誇る人気テーマパークです。日本人なら誰もが知っている「ディズニーランド」。
夢の国と呼ばれるこのディズニーランドには、この7年間は毎年2500万人以上が訪れていると言われています。2500万人と言えば、東京都の人口の約2倍。日本の人口で考えれば、毎年日本人の5人に1人が訪れているという計算になります。ただ、どれだけ愛されていると言っても、2500万人というのは少し驚きを隠せません。
この秘密は、「97%」という圧倒的なリピート率の高さ。一度訪れた方のほとんどが、もう一度リピートで訪れています。では、どうしたらこんなにもたくさんの人に、「もう一度行きたい」と思わせることができるのか。ここでは、ディズニーランドが行なっているリピーター獲得のための施策を、5つにまとめました。
徹底した「キャスト」への教育
ディズニーランドでは、来場者を「ゲスト」と呼ぶのに対し、そこで働く従業員を「キャスト」と呼んでいます。これは、ショーやイベントに携わるスタッフも、販売を担当するスタッフも、アトラクションの運営を担うスタッフも、正社員・アルバイト問わず同様です。キャスト全員が同じ立場で、同じ想いでお客様に感動を与えるサービスを提供する。そんなディズニーランドのキャストには、いくつかの「ルール」があります。
ゲストに不安を抱かせないため、「危険」という言葉を使ってはいけない。
ゲストからの質問に、「わかりません」と答えてはいけない。
15分に1回の清掃を行ない、ゴミ1つでも見逃してはいけない。
このように、「夢の国」というブランドを守るため、キャストへの徹底した教育が行なわれています。
アトラクションやショー・イベントの豊富さ
ディズニーランドには、数多くのアトラクションが存在します。一度でも行かれたことのある方には理解いただけると思いますが、その数は到底1日では回りきれないほど。また、たとえ「ランド」のアトラクションを全て制覇したとしても、隣には「ディズニーシー」があります。「ランド」でも飽き足らなければ、「シー」へ行く。当然、その逆もあるでしょう。
また、ディズニーランドでは、どんなに人気のあるショーやイベントであっても、定期的に新しいものに入れ替わります。こうすることで、「1年に何度訪れても新しい発見がある」という価値を生み出すことができています。
実際に、ショーやイベントを見るためだけに、ディズニーランドに来場する方もたくさんいるのだとか。結果、数多くのリピート客が生まれています。
来場者を待ち時間で退屈させない
アトラクションを楽しむためには、当然「待ち時間」が発生します。多くの方が訪れる人気のテーマパークですから、その時間も他のテーマパークよりも長く、退屈になってしまうのでは…? ディズニーランドでは、ゲストの待ち時間も考慮し、どこにいても何らかのショーが見られるように工夫されています。
アトラクションの建物内にも、退屈させない工夫がたくさん。人気のテーマパークであればあるほど課題となる「待ち時間の長さ」をも解決しています。
徹底して「非日常空間」を演出する
来場者が気づかないような細部まで、徹底してブランドイメージにこだわっているディズニーランド。そこでは、「ゲストにとっての“非日常空間”をいかに演出するか」という点にも非常に力を入れています。
たとえば、ディズニーランド内では、「日常性」を感じさせるような高層ビルや看板などは一切見えないよう、計算して建設されています。ゲストにとって 「日常生活を忘れてしまうほどの感動的な体験」として残り、それが「もう一度行きたい」というリピートにつながるわけです。
正社員・アルバイト関わらず、ゲストを感動させるサービスを生み出す力
ディズニーランドで働くキャストのうち、正社員は2000名程度。それに対して、アルバイトスタッフが1万8000名程度。正社員の中にはバックオフィス業務を担当する社員もいるため、ゲストが直に接するキャストは、ほとんどがアルバイトスタッフだと考えてもいいでしょう。
アルバイトが、ゲストを感動させるサービスを生み出している。そう考えると、いかにディズニーランドのキャストが、仕事に対して主体的に、プロ意識を持って臨んでいるのかがわかります。
しかし、こうした従業員の存在は、「ディズニーランドだからでは?」と思われるかもしれません。そこで、次の章では、「リッツ・カールトン」を題材に、従業員のモチベーションを上げることで、顧客満足度を高めている実例をご紹介していきます。
リッツ・カールトンに学ぶ「ESの高め方」
高い顧客満足度の秘密は、高い「従業員満足度」にあり
「CS(顧客満足)」に対して、「ES(従業員満足)」という概念が存在するのをご存知でしょうか? 「従業員の不満を解消し、会社への帰属意識や愛着を生み出すことで、顧客へのサービスの質を高めていこう」という考え方です。ここでは、そんなESを高める方法を、「リッツ・カールトン」から学んでいきましょう。
リッツ・カールトンと言えば、お客様の期待以上のサービスを提供する「ホスピタリティの高いホテル」として有名です。
例えば、大阪のリッツ・カールトンでは、忘れ物をしたお客様を追いかけ、スタッフが新幹線で東京まで届けに上がった、なんてエピソードも残されているほど。こんな一見型破りに思えるサービスは、現場で働くスタッフに対し、下記のような「エンパワーメント(権限移譲)」を行なうための仕組みがあるからなのです。
スタッフは上司の判断を仰がず、自分の判断で行動できる
部署を越えて仕事の協力をする時は、自分の通常業務を離れる
スタッフには、1日2000ドル(約20万円)までの決裁権がある
権限委譲は、リスクを伴うもの。そのため、これらの仕組みは、会社側のスタッフへの信頼の証とも言えます。「リスクを負ってでも、スタッフを信頼する」という会社の姿勢に対し、スタッフは愛着を覚え、信頼に応えるべくモチベーションを高めているということです。では、具体的にどのような方法で1人ひとりのモチベーションを高めているのでしょうか?
従業員のモチベーションを高める5つの方法
1|感動のストーリーを共有する
リッツ・カールトンでは、毎日作業開始前の15分間、スタッフを集めて「ラインアップ」と呼ばれるミーティングが行われます。ここではクレドに書かれた行動指針から1つを選び、自分が実践したことを共有したり、他のスタッフが実践したことなどを聞くことにより、モチベーションを上げているのだそうです。
さらに、週2回、全世界のリッツ・カールトンから選ばれた「Wowストーリー(お客様がワオ!と思わず言ってしまうような感動のストーリー)」を世界中の従業員と共有しているのだそうです。
とある家族がパリのリッツ・カールトンを訪れた時の話。その家族は、アレルギーを持つ子どものため、特別な牛乳と卵を持参していました。ところが、チェック・イン時には卵も牛乳も使えない状態に…。それを知ったホテルのマネージャーとレストランスタッフは、地元で同じ商品が販売されていないかを探し回ったのですが、見つからず。そこで、1人のシェフが、シンガポールで同じ商品が販売されていたことを思い出します。すぐにシンガポールに住む親類に「商品を購入して届けてほしい」と連絡。親類は快諾し、飛行機に乗ってその商品を届けました。そのことを知った家族は、ホテル側のホスピタリティに感動し、深い感謝の気持ちを抱いたのだそうです。
このようなサービスを受けたら、きっとその家族はリッツ・カールトンのファンになるとともに、他のホテルに泊まろうとは考えないのではないでしょうか。さらに、スタッフもこんな感動的な話を1日の始まりに聞かされれば、仕事のモチベーションが高まるとともに、自分がリッツ・カールトンの一員であることに誇りと愛着を持つことでしょう。
2|仕事への情熱は背中で見せる
「人の気分は、風邪のように人から人へ伝染する」。そんな考えから、リッツ・カールトンのマネージャーは、お客様の前でもスタッフの前でも笑顔を絶やさず、身だしなみにも最大限の気を配り、常に仕事への情熱を背中でスタッフに見せているのだそうです。その姿がスタッフにも伝染し、スタッフ同士でモチベーションを高め合う職場風土を生み出しています。
3|どんな些細な話も真剣に聞く
「スタッフのどんな些細な話にも、真剣に耳を傾ける」。たとえそれが「新しく客室用に購入された掃除機の機能について」といった、一見優先順位の低そうな議題であってもです。マネージャーは真剣にスタッフと議論しながら、どんな小さな疑問にも答えていく。こうした姿勢がスタッフからの信頼を集め、1人ひとりの主体性につながっていると言えます。
4|賞賛と注意は「サンドイッチ」で 行う
リッツ・カールトンのマネージャーは、スタッフのミスを指摘することよりも、「どうすればスタッフがより高いモチベーションで仕事に臨んでくれるようになるか」を考えています。そのため、もしスタッフがミスをしても、決してみんなの前で叱責することはなく、逆に褒めるときにはみんなの前で賞賛するようにしているのだそうです。また、ミスを指摘する時もネガティブな面だけにフォーカスすることはありません。例えば、
「最近、◎◎な部分がよくできるようになったね」
「でも、▲▲な部分はもう少し改善の余地がありそうだ」
「大丈夫。君ならきっとできるよ」
といった形で、「注意する言葉」を「褒める言葉」で挟むことにより、スタッフが足りない部分を前向きに捉え、自分なりに工夫していく姿勢を促しています。
「顧客満足」を高めるためには、まず「従業員満足」を高めることから。サービス業界のみならず、様々な場所で実践したい「モチベーション向上術」です。
4.おすすめの本
この記事をご覧になって、「顧客満足度を高める方法についてもっと知りたい」と思ってくださった方におススメしたい本を、ここでいくつかご紹介します。
ディズニー こころをつかむ9つの秘密|著・渡邊 喜一郎
今や日本中で知らない人はいないと言っても過言ではない「ディズニーランド」。しかし、開業前の知名度はごくわずかなものでした。本書は、そんな30年前に「年間1000万人を集客する」というミッションを背負うことになった、当時のマーケティング担当である著者の物語。「マスコミを巻き込む方法」「リピーターを増やすために行ったこと」など、様々なマーケティング手法が詰まった1冊。ディズニーのファンだけでなく、「集客したい」「ファンを作りたい」「リピーターを増やしたい」という方におススメです。
13のステップでお客様の心を数値化する|著・三枝 利隆
(財)社会経済生産性本部経営コンサルタントを務め、顧客満足を重視した企業経営改善のコンサルティングにも取り組んでいる著者。本書では、顧客の本音を引き出すための、具体的なアンケート手法が簡潔に、わかりやすく説明されています。「戦略の前に、まずは顧客のニーズを正しく探る必要がある」という考えを理解するとともに、正しい顧客満足度調査の進め方を学ぶことができます。
5.まとめ
大量生産・大量消費の時代と異なり、現代は物が売れなくなっている時代と言えます。だからこそ、その商品・サービスを購入・利用する顧客の声を知ることが何より大切であり、それが「リピート」という形で恩恵として返ってくるということをご理解いただけたのではないかと思います。
また、顧客の満足を勝ち取るためには、組織の一部の人間ではなく、全員が同じビジョンを共有してサービスを提供することが重要であることもご説明しました。顧客満足度の向上について考える前に一度、志をともにする仲間のことを考えてみてはいかがでしょうか。「彼らははたして、あなたと同じ方向を向いているのか」。参考にしていただければ幸いです。
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