悩み事から解放される方法
悩み事から解放される方法
生きていると、実にさまざまな悩みにぶち当たります。
悩み事の程度や頻度の差はあれど、「これまで一度も悩んだことがない」という人はおそらくどこにもいないでしょう。
そう頭ではわかっていても、苦しいのは自分だけのような気がして絶望的になることがあります。
生活に身が入らなかったり、ほかのことまでうまくいかなくなったり、負の連鎖が続いてしまうこともあります。
そんなとき、自分の心をラクにしてあげる方法を何かひとつでも知っていれば、少しだけ救われるような気がしませんか。
たとえ根本的な解決には時間が必要だったとしても、前向きに乗り越えるための力を得られるような気がしませんか?
本記事では、いますぐに試せる「心がラクになる方法」から、「引き寄せの法則」や「認知行動療法」に基づいた本格的なメソッドまで、実用的なものだけを厳選してご紹介していきたいと思います。
ネガティブな気持ちから少しでも解放されるきっかけになれば幸いです。
1.いますぐに試せる、心がラクになる方法
悩み事が頭をグルグル巡って眠れないとき、モヤモヤからどうしても抜け出せずに苦しいとき。
まずは簡単にできる方法を使って、心をいったん休ませてあげてください。
1-1.悩み事を5W1Hで書き出す
スマホに打ち込んでも、適当な紙に手書きしても、手法は何でもかまいません。
ポイントは、5W1H(いつ・どこで・誰が・何を・なぜ・どのように)をできるだけ詳しく書き出すこと。 悩みの正体や原因がわからないまま「何となく苦しい」という状態は、モヤモヤを余計に悪化させてしまいます。
悩みと向き合う作業は辛いですが、文章として客観的に見える状態にするだけでもいくらか冷静になれるはず。 また、書き出した悩みを客観的に見てみると、気づくことがあるかもしれません。
「○○と思い込んでいたけれど、振り返ってみれば意外と○○なんだな」
「失敗ばかりしていると思ったけれど、けっこう頑張っているな、自分」
など、心がふっと軽くなる糸口が見つかる可能性があります。 頭の中だけでモヤモヤを抱えてしまっているなら、ぜひ一度やってみてください。
1-2.自分で解決できることとできないことを区別する
悩み事には、自分の力で解決できるものと、自分ではどうしようもないものがあります。
その区別をきちんとつけることも、余計なモヤモヤから解放されるためには重要。自分で何とかできそうだとわかれば、次への一歩がほんの少し見えてきます。
それだけでも気持ちが前を向いた証拠。反対に、自分ではどうにもできないと悟れば、
「これ以上考えても仕方ない」と諦め(いい意味で、です)の気持ちが生まれます。
特に人間関係の悩みの場合、他人を変えるのには限界があることに気づくでしょう。 自分で解決できる悩みなら、「悩む」から「解決策を考える」行為へシフトするきっかけに。
自分ではどうしようもない悩みなら、余計に背負ってしまっている重荷をおろすきっかけに。
悩み事の区別は、そのきっかけをつくるうえで効果的です。
1-3.宇宙をイメージする
「宇宙」というと極端かもしれませんが、「海」でも「空」でも「世界」でもかまいません。
とにかく、いまの自分の世界よりも遥かにスケールの大きなものを、できるだけ具体的に思い描きます。
「○○を見ていたら自分の悩みなんてちっぽけに感じた」といった経験をしたことはありませんか? その状況を脳内で意識的に作り出してみるのです。
映像や写真の力を借りるのも◎。時間をかけて広い世界へトリップし、
「宇宙の端っこはどうなっているんだろう」
「地球の裏側まで飛んで行けたらどんな気分だろう」
など、非日常の想像を膨らませてみてください。
しばらくして現実に戻ってきたとき、悩み事の捉え方が少し変わっていれば成功です。
1-4.思いきり泣いてストレス物質を排出する
「笑う」よりも「泣く」ほうがストレスを発散できることは、すでにいくつかの実験で証明されているそう。
乾燥やゴミから目を守るための涙ではなく、喜怒哀楽により流れる「情動性分泌」と呼ばれる涙であることがポイントで、この中に含まれるストレス要因の物質が涙と一緒に体外に排出されるのだそうです。 「自分のことではなかなか泣けない」という方は、感動する映画・TV番組・本などでもかまいません。
むしろ、他者への共感により流れる「感動の涙」のほうが、不安・緊張・敵意などのネガティブな感情を消してくれるという実験結果もあるほど。 また、涙を流すことで副交感神経のスイッチが入り、睡眠と同程度のリラックス効果を得られるとも言われています。
最近では「涙活」というワードも出てきましたが、それだけ効果を実感する人が多い方法ということでしょう。
1-5.自己催眠でリラックスする
「催眠」というと怪しいイメージを持たれるかもしれませんが、自己催眠は心身の問題を解決するためのれっきとした医療催眠。
自分にリラックスする暗示をかけ、心を解きほぐしていく方法です。
さまざまな種類がありますが、ここでは簡単にできるものをご紹介します。
静かな場所に、足が地面につく高さの椅子を用意し、腰かける。
メガネやアクセサリーなどをできるだけ外す。
両腕は手のひらを下にした太ももの上に置き、両足は肩幅に開く。
深呼吸をして、自然な姿勢にする。背もたれには寄りかからない。
目を閉じて、何もせずに60秒数える。
60秒数えたら、伸びをしてゆっくり目を開ける。
これだけです。最初のうちは、何もしない状態にイライラしたり不安になったりするかもしれません。
でもそれは心がリラックスできていない証拠。何度か繰り返し行なうことで、徐々に心身がほぐれていくのがわかると思います。 世の中には情報があふれ、私たちはそこかしこで絶えず刺激を受けています。
ときにはそれらをシャットアウトし、自分の心身に意識を向ける時間を設けることが重要なのです。
2.ネガティブな気持ちを取り除く方法
悩み事を抱えていると、無意識のうちにすべての思考がネガティブになってしまうもの。
最初はほんの些細な悩みだったはずが、いつの間にか「私は生きている価値のない人間だ」という考えにまで陥ってしまい、何もかもうまくいかなくなってしまった…なんてこともあると思います。 この苦しみの連鎖から抜け出すには、どうすればいいのでしょうか。
まず第一歩として、この世には「引き寄せの法則」というものが存在することを知る必要があります。
2-1.「引き寄せの法則」でポジティブを引き寄せる
最近、書籍やネットでよく目にするようになった「引き寄せの法則」。
日本での最初のブームは2007年頃と言われていますが、どんな法則かご存じでしょうか?
中には「胡散臭そう…」と敬遠していた方もいらっしゃるのでは? 「引き寄せの法則」の本質は、いわゆるスピリチュアルなものではなく、非常に理にかなった考え方です。
簡単に言えば、「いま自分の感じている気持ちが、現実を引き寄せる」というもの。
不安な気持ちでいると、不安な気持ちになる状況を実際に引き寄せてしまう。
逆に、常に前向きな気持ちでいれば、不幸やトラブルに見舞われることもない。多かれ少なかれ心当たりがあるのではないでしょうか? アメリカの著名な月刊誌『ナショナル ジオグラフィック』が興味深い街頭実験をしました。 道行く人にまず「自分を幸運だと思うか、不運だと思うか」を尋ねる。 次に新聞を渡して、「10秒以内に紙面の写真の数を数えられたら、賞金20ドルをプレゼントする」と伝える。
すると、結果は顕著に現れました。「自分を幸運だと思う」と回答した人の賞金獲得人数は、「不運だと思う」と回答した人のなんと3倍にのぼったのだそうです。
実はこの実験、新聞の2ページ目にカラクリがありました。「“7枚”と答えれば20ドルを獲得できます」という吹き出しがついていたのです。
つまり、「自分を幸運だと思う」と回答した人は、この吹き出しに気づく確率が高かったというわけなのですね。
チャンスは全員に平等に与えられているのに、チャンスを掴める人と掴めない人に分かれてしまうのはなぜでしょうか。
答えは、自分を幸運だと信じている人は、突然巡ってくるチャンスを進んで受け入れられる状態になっているから。これこそが「引き寄せの法則」の原理なのです。
2-2.今日から実践! 「引き寄せの法則」的考え方
ネガティブな気持ちを取り除くには、ポジティブな考えを意識的に脳に入れてあげることが大切です。
最初は無理やりでもかまいません。繰り返し意識することでポジティブな気持ちが引き寄せられ、やがてはポジティブな現実をも引き寄せてくれます。
とはいっても、そう簡単にはいかないですよね。
まずはポジティブな単語を頭の中で繰り返すことから。
もちろん口に出してもOKです。どんなに小さなことに対してでも、「嬉しい!」「幸せ!」「ラッキー!」と前向きな言葉を思い浮かべる・発するようにしてみてください。
脳に少しずつ幸福な気分が広がっていくことを実感できると思います。
人と接するときも、積極的に「ありがとう」を伝えてみましょう。
たとえ悩みの根源である嫌いな人でも、意識的にいいところを探して「ありがとう」と口にすることがポイントです。
慣れてきたら、笑顔も心がけてみてください。最初はうまくいかないかもしれませんが、一つひとつの積み重ねが大切。
「この人が嫌い!」と思いながら接するときと比べて、相手の受け止め方も変わってくるでしょう。
それが人間関係の綻びを直すきっかけになるかもしれません。
「ありがとう」や「嬉しい」などのポジティブなキーワードは、ポジティブな現実を引き寄せる魔法の言葉です。
ネガティブな気持ちに飲み込まれそうなときは、ぜひ意識してみてください。
3.心理療法を使った、悩み事から解放される方法
私たちの顔や性格が千差万別であるように、物事の捉え方もまた人それぞれです。
同じトラブルに見舞われたとしても、「自分はダメ人間だ」と落ち込む人がいれば、「仕方ない、もう一度やり直そう」と前向きに考える人もいます。
気分が沈みがちな人は、もしかすると「ネガティブに考えるクセ」がついてしまっているのかもしれません。
その場合は、クセの正体を見極めて直していくことが重要になります。
現在、うつ病の治療は主に「環境調整(休養など)」「薬物療法」「心理療法」の3種類で行なわれていますが、この心理療法の中でも最もメジャーなのが認知行動療法です。
簡単に言えば、物事の捉え方を変えることで行動を変えていく方法です。
この章では、認知行動療法の観点から「心がラクになる方法」を紐解いていきたいと思います。
うつ病でなくても、モヤモヤした気持ちから解放されたいときや気分転換をしたいときに役立つ考え方ですので、ぜひ実践してみてください。
3-1.まずはネガティブに考えるクセを知ることから
たとえば、職場の上司から書類のミスについて怒られ、とても嫌な気持ちになったとしましょう。
そのときの「嫌な気持ち」を解剖してみると、人によってさまざまなパターンに分けられます。
また今日も怒られてしまった。最近怒られてばっかりだなぁ。
実際は怒られた回数以上に褒められているのに、悪いところにばかり目がいってしまう。
こんなことでミスをするなんて、自分は本当に仕事ができない人間だ。
失敗を過大評価しすぎてしまう。
まずい、ほかにもミスがあるかもしれない。昨日提出した書類にももしかしたら。
ひとつのことから悪いことをどんどん連想してしまう。
あんなに怒るなんて、部長はきっと自分のことが嫌いなんだ。
相手の気持ちを勝手に予測して、悪い方向に思い込んでしまう。
入社○年目にもなって情けない。これくらいの年次なら仕事は完璧にこなすべきなのに。
頭ごなしに「?すべき」と決めつけてしまう。
最近ミス続きだから、もしかしたら降格になるかもしれない。下手したらクビ?
小さなことでも最悪の事態を考えてしまう。
このような無意識に浮かぶ考えのことを、認知行動療法では「自動思考」と呼びます。
この自動思考がネガティブに働くことにより、人は嫌な気持ちになるのです。
嫌な気持ちになるシーンをいくつか思い浮かべてみると、自分の自動思考のクセが見えてきませんか? このクセを自覚することが、心をラクにする最初の一歩になります。
3-2.新しい考え方のクセを身につける
自分の自動思考のクセが見えてきたら、その自動思考が発動したときに意識的に「待った!」をかけてください。
嫌な気持ちが渦巻いている中で冷静になるのは難しいかもしれませんが、頑張って意識してみることが大切です。
いったん冷静になったら、次のことを自分に問いかけてみます。
そう考える根拠は?
そう考えるメリットは?
過去に同じような体験をしたとき、どう対応した?
最悪どうなる?
ほかの人だったらどう対処する?
友人や家族だったら、いまの自分にどう声をかける?
自分にできることは?
たとえば、先に挙げた1番目の例、「また今日も怒られてしまった。最近怒られてばっかりだなぁ」という自動思考が発動して、どうしようもなく嫌な気持ちになったとしましょう。
そこで思考に「待った!」をかけて、いくつか自分に問いかけてみてください。
そう考える根拠は?
よく思い返してみたら、昨日は一度も怒られなかった。一昨日は企画の内容を褒められたっけ。
最悪どうなる?
クライアントに出す前に気づけたんだから、このせいでクライアントに迷惑をかけることも、取引がなくなることもないんだよな。
自分にできることは?
とにかく間違いを直さなきゃ。もう怒られたくないから、ついでにほかの部分もチェックし直そう。次からは二重チェックするようにしよう。
ワンクッションおいて自問してみることで、自己嫌悪などのネガティブな気持ちが少しやわらぐのではないでしょうか。
怒られたことで忘れていた自分の頑張りに気づけるかもしれませんし、上司に逆に感謝の気持ちが湧いてきたり、対策を前向きに考えられたりと、思考の変化を感じることができると思います。
これを専門用語で「認知の変容」と言います。物事の捉え方を変えたことで、ネガティブな気持ちが軽減したのです。
この「認知の変容」を意識的に繰り返していけば、ネガティブな自動思考が徐々に改善されていくという仕組みです。
自動思考のクセを自覚して、認知の変容をする。自己嫌悪・怒り・悲しみ・恐怖などの気持ちがあなたの心を支配したとしても、落ち着いてこの手順を踏めば大丈夫。心がすっとラクになります。
4.自分一人で抱えきれないときは
ここまでは自分で心をラクにする方法をご紹介してきましたが、一人で悩みを抱えたまま過ごすのが辛いときもあるでしょう。
信頼できる友人や家族がいれば打ち明けてみることをおすすめしますが、そのような人がいない場合や、知り合いには話しにくい場合もあると思います。
そんなときはぜひ専門の機関を頼ってみてください。
「こんなことで相談するなんて恥ずかしい」「ほかの人に比べれば自分の悩みなんて」と思わないでください。
話を聞いてくれるのはプロの方々。あなたが苦しいと感じていることは事実なのですから、あなたの心境に応じた対応をしてくれるでしょう。
最初はハードルが高く感じられるかもしれませんが、相談者が相談しやすいよう工夫している機関もたくさんあります。
カウンセリングルーム
全国に点在しているため最寄りのルームを見つけやすく、医療機関に抵抗がある方にとっては敷居が低めという利点があります。
一方で、カウンセリングには国家資格がないので、信頼できるルームかどうかの見極めが難しいという面も。選ぶ際には以下を参考にしてみてください。
「臨床心理士」「産業カウンセラー」などの代表的な資格を保有している
料金体系が明確である(目安/1回50分5000円?1万3000円ほど)
電話やメールではなく、対面でカウンセリングを行なう
カフェなどではなく、一定の場所でカウンセリングを行なう
満足度など、信憑性の乏しい実績をアピールしていない
電話・メール相談
「とりあえず話を聞いてもらいたい」「対面で話すのは抵抗がある」という場合は、ホットラインなどの相談窓口を利用するという手もあります。
信頼のおける機関が設置している窓口を選ぶのがおすすめ。
働く人の悩みホットライン(日本産業カウンセラー協会)
受付内容/職場、暮らし、家族、将来設計など、働くうえでのさまざまな悩み受付時間/月?土の15?20時、ひとり1回30分以内料金/無料(通話料金は相談者負担)
よりそいホットライン(社会的包摂サポートセンター)
受付内容/暮らしの中での悩み全般、DV、LGBT、被災など
受付時間/24時間
料金/利用料・通話料ともに無料
いのちの電話(日本いのちの電話連盟)
受付内容/暮らしの中での悩み全般
受付時間/都道府県により異なる 料金/無料(通話料金は相談者負担 ※毎月10日はフリーダイヤルでの受付あり)
いのちの電話 インターネット相談(日本いのちの電話連盟)
受付内容/暮らしの中での悩み全般 受付時間/24時間 料金/無料※専用フォームで相談内容を送信し、メールで返信を受け取る流れ。返信までの期間は1週間ほど。
精神科へ行く
不安、抑うつ、不眠、イライラ、幻覚、幻聴などの精神疾患を扱うクリニック。
これらの症状に悩んでいる場合は、精神科医に相談してみることをおすすめします。
治療のための診察・カウンセリングはもちろん行ないますが、実際の治療は薬物療法が中心となるケースが多いそう。
最近話題になったドラマ『Dr.倫太郎』の日野医師のようなカウンセリングを受けたい(話をじっくり聞いてもらいたい)場合は、カウンセラーを抱えているクリニックやカウンセリングルームがベターかもしれません。
心療内科へ行く
精神科と混同されがちですが、心療内科は「心身症」を扱うクリニック。心に原因があり、それが体にも現れている状態、つまりどちらかというと身体疾患をメインに扱うクリニックといえます。
動悸、めまい、下痢、喘息などの症状があるのに、内科で「異常なし」と言われた場合などは、心療内科に相談してみるといいでしょう。
症状の治療とあわせて、ストレス対処のよりよい方法などを医師と一緒に考えていくことになります。
5.心が軽くなるおすすめの映画
最後にご紹介するのは、悩み事を抱えてモヤモヤしているときにおすすめの映画・本。
いったん現実から離れることでリフレッシュになりますし、観終えた・読み終えたあとには感じ方が少し変わっているかもしれません。
おすすめの映画を紹介します
『ギルバート・グレイプ』(1993年・アメリカ)
『パイレーツ・オブ・カリビアン』や『チャーリー・モルデカイ』
など異色キャラのイメージが強いジョニー・デップ主演の、知られざる名作ヒューマンドラマ。重い知的障害を持つ弟(少年時代のレオナルド・ディカプリオ)
夫の自殺から7年間も家から出たことのない肥満で過食症の母、さらに2人の姉妹をもつギルバート青年が、ある少女に恋をすることで希望を見出していく物語です。感動のラストは必見。
『イエスマン “YES”は人生のパスワード』(2008年・アメリカ)
笑えて感動もする映画をご所望なら、こちらがおすすめ。
離婚以来“NO”ばかりのネガティブな毎日を送っていた主人公(ジム・キャリー)が、ある自己啓発セミナーで
「今後は何があっても“YES”と答える」
という誓いを立ててしまいます。ところが、とりあえず“YES”を連発していくだけで物事がみるみる好転し始めて…。
前向きに生きることの意味を教えてくれる作品です。
『わたしはロランス』(2012年・カナダ/フランス)
若き天才、グザヴィエ・ドラン監督・脚本によるラブストーリー。
教師をしながら小説を書いているロランスは、30歳の誕生日、恋人の女性に「自分の身体の性に違和感を持っている。
女性になりたい」と告白します。最初は戸惑い非難する恋人でしたが、ロランスのよき理解者となることを決意して。
ゲイであるドラン自身の心情も描き出されているのか、周囲の偏見に立ち向うふたりの姿が切なくも美しい秀作です。
『海街diary』(2015年・日本)
是枝裕和監督による、漫画原作のヒューマンストーリー。離婚した両親と離れて鎌倉で暮らす3姉妹と、そこで一緒に住むことになった腹違いの妹が、家族の絆を紡いでいく物語です。
4人それぞれが悩みや葛藤を抱え、自分なりに折り合いをつけながら前進していく姿は、観る人に勇気を与えてくれます。ところどころにクスッと笑える要素もあり、心が温まる作品です。
おすすめの本を紹介します。
6.心が軽くなるおすすめの本
『「らく」に生きる技術 疲れた心を解きほぐす34のテクニック』(2015年・小林奨・彩図社)
心理療法の観点から、すぐに試せるテクニックを多数紹介している本。
じっくり取り組む診断テストなどもありますが、ざっと読むだけでも心が軽くなるように工夫されているため、即効性を求める方におすすめしたい本です。
『リライブ』著|小路幸也
『東京バンドワゴン』シリーズで人気の著者による、小説が苦手な方でも読みやすい短編集。
死ぬ間際の人間の思い出をもらう代わりに、人生で失ったものをひとつだけ取り戻すことができる〈バク〉と、〈バク〉の力で人生を
り直すことに決めた7人の物語です。それぞれの人生模様に共感したり、深く考えさせられたりしながら、自分の生き方を見つめ直すことのできる一冊。
『一生に一度だけの旅シリーズ』著|ジェレミー・アラン他
世界の美しい風景がたくさん収められており、眺めているだけで世界中にトリップした気分に浸れます。
悩み事から離れて現実逃避したいときにぴったりなシリーズ。迫力満点の大型保存版のほか、リーズナブルなコンパクトサイズ版もあります。
7.まとめ
さまざまな観点から、悩める心をラクにする方法をお伝えしてきました。
苦しくてどうしようもないときに使える即効性のあるものから、悩みの根源と向き合って解決していくものまで、状況に応じて選択いただけるよう幅広くご紹介したつもりです。
悩んでいるということは、自分の中に「生きたい」「変わりたい」という前向きな想いが少しでもある証拠です。
まずは疲れた心をしっかり休めて、それから次の一歩を焦らずゆっくり考えていきましょう。一人で抱えきれないときは、我慢せず他者を頼ってください。あなたの悩み事が少しずつでも解決されていくことを願っています。
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